wise sports Report

[第五回] ジャンプ力強化トレーニング

さて、「wise sports パフォーマンスアップ編」第五回です。
前回の効果測定では、バスケのディフェンスの構えからすばやく動くことを目標にし、測定しました。
その中でも基本的な可動域を取得することができていたMさん。次のステップは、【ジャンプ力】!
Mさんはセンターというポジションで、ゴール下でリバウンドを取る事が多いそうです。しかし、他の選手に比べると身長が低く、ジャンプ力がないとなかなか取れないということで、今回はそのジャンプ力をあげるトレーニングを行っていきます。


1.股関節の可動

股関節の可動

まずは股関節の可動域をみます。なぜジャンプ力の強化トレーニングなのに股関節の可動域をみるのでしょうか。ジャンプ動作は全身運動ですが、その多くが下半身の能力によって発揮されているからなのです。
股関節を上手く使えないと、他の部分を余分に使ってしまい、痛みやパフォーマンスの低下を招きます。
まず写真のように、うつ伏せで膝を軸に足を左右に動かしたり、円を描くようにするトレーニングでMさんの股関節の可動域がどのくらいあるのかを確認してみました。 ポイントとしては、骨盤の位値が動かないようにすること、動かしている足の膝が開いていかないようにすること、そして足に力が入らないように行うこと。骨盤が動いていることを感じながら行うのですが、よく分からない場合は、動かしているほうの足の骨盤の位値(外にでっぱっている部分)を手に当てながら行うと、股関節が動いているのかどうか分かると思います。
このトレーニングは続けることで綺麗な円を描けるようになり、股関節をしっかりと動かすことができるようになります。Mさんも短時間のトレーニングで、初めのカクカクの円から少しだけ丸い円を足を描くことができました。



2.骨盤の可動域

骨盤の可動域

次に、骨盤の可動域を確認します。これは、骨盤の動かし方を身体に教えるトレーニングです。普通に生活をしていると骨盤は同じ位値でかたまってしまい、動かし方を忘れてしまいます。身体にはそれぞれの部位を動かす筋肉があるのにも関わらず、常に動かしていないとその部位を正しく動かすことを忘れてしまうのです。そこで、Mさんの骨盤の動かし方を再確認してみました。まず四つん這いになり、骨盤を前へ倒すというイメージで背中を反らせます。次は反対に骨盤を立てるというイメージで背中を丸めます。この動作を繰り返し行い、骨盤をスムーズに動かす動きを身体に覚えさせます。

3.臀筋=蹴る筋肉を使ってみよう

バックランジwithツイスト

次はおしりの筋肉(臀筋)のトレーニングです。
タイトルにもある通り、臀筋はジャンプする時に床を蹴る筋肉になります。
臀筋を鍛えるトレーニングは様々ありますが、今回は仰向けに寝て、膝をたてます。
この時、注意していただきたいのが、腰が反ってしまわないようにお腹に力を入れて背中と床の隙間をなくすことです。
そしておしりの力で腰を上に持ち上げます。
写真のように肩から膝まで一直線になるくらいに上げます。それを10秒ほどキープしましょう。
この時、踵で地面を蹴るイメージでしっかりおしりに力が入っていることを確認してください。

4.おしりとお腹を使って地面を蹴る!

インナーユニット

さて、実際に地面を蹴るトレーニングを行っていきます。先程の、寝た状態でしっかりおしりを使うことを身体に覚えさせたので、より実践に近い動きをしてみます。まず、壁に手をつき片足をひいた姿勢を取ります。この時、腰が反りすぎたり丸まらないように注意してください。次に、後ろに引いている足をグッと引き上げ脚を入れ替えます。ここでポイントなのが、3で行ったトレーニング思い出してください! 大切なのは、おしりを使って地面を蹴るということです。ただ単に足を引き上げただけでは、ジャンプ力の強化にはつながりません。
さらに、お腹も使って体幹をキープ! お腹が曲がってしまうとせっかく引き上げた足から伝わる力が横に流れてしまい、上へジャンプする力が逃げてしまいますので注意してください。

5.プライオメトリックス(トレーニング理論)

さて最後は、今までのトレーニングの総合編です。まずプライオメトリックスとは、伸張反射ともいい、筋肉を伸ばしたあと、すぐに縮めて、筋肉の爆発力(筋力とスピード)をアップさせることを目指すトレーニングのことをいい、今回のMさんの目標であるジャンプ力強化のにはもってこいのトレーニングです! 今まで行ってきた股関節の可動域、骨盤の可動域、臀筋の使い方をすべて含めた上で、助走からステップ台を素早く蹴り上げ上に跳ぶ。この一連の動きのなかで、今までのトレーニングを意識して行います。ポイントは短く早く(強く)跳ぶということ。はじめはなかなか苦戦していたMさんですが、今まで行ってきたことを思い出しながら、何度もチャレンジ! 腕も素早く大きく引き上げることでさらに重心位値が高くなります。

それでは、今回はここまで! 次回もお楽しみに!

インナーユニット

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